食用のキノコといえば日本では松茸ですが、中国では椎茸を筆頭に、キクラゲなどの食材がポピュラーです。キノコ類の薬膳的な効用としては、胃腸や腎臓の働きを良くして免疫力を高めたり、むくみを取る作用のあるものが多く、秋から冬にかけて体調を整えるのには適した食材だと思います。
キノコの中でもアガリクスなどは免疫作用を高める作用があるとして注目されていますが、これはキノコの持っている「気」を補う作用のひとつです。漢方で言う「気」とは大きな意味では人間のもっている体の機能のことですが、胃腸の消化吸機能や免疫機能も「気」のはたらきによるものです。また、「気」のエネルギーの低下状態を気虚(ききょ)と言いますが、「気虚の本体は脾気虚」といわれ、漢方の五臓六腑でいう脾=胃腸の機能が弱い人は免疫力も低下します(昔から脾=胃腸の弱い人のことを脾弱=「ひよわ」といいます)。