(「YUJIN東京」さんのメニューより)
八宝菜は日本中華の定番メニューのひとつですが、中国では一般的には炒什錦または炒什錦菜と呼ばれます。また、広東省では炒雑砕(ちゃうちゃぷすい)と呼ばれることもありますが、野菜や肉の五目煮のことで、どんぶりにしたものが中華丼(もちろん純粋な日本語です)となります。(もっとも中国には八宝飯と呼ばれる、もち米に干しぶどうや竜眼、蓮の実、クルミなどを入れて甘く味付けしたものがあります。)
さて、写真の八宝菜(炒什錦菜)は、いろどりが美しいですが、中国の五行説の色〜青(緑)、赤、黄、白、黒の5色が総て揃っています。五行説では、世の中のものを総て5つに分類しますが、方角で言えば、黄色は中央、東が青、南が赤、西が白で北が黒ですので、北京の故宮の屋根の色は黄色(世界の中心である中国の中心という意味)ですし、大相撲の土俵の色も土の色と言いながら黄色です(土俵の上にかかっている屋根の四隅には青、赤、白、黒の房が垂れ下がっています)。
因みに高松塚古墳の壁に書かれている四神(東ー青龍、南ー朱雀、西ー白虎、北ー玄武(注:「玄」は黒をあらわす)も同じで、更に季節で言えば青は春になりますので、「青春」という言葉が生まれ、以下、現代ではあまり使われませんが「朱夏」「白秋」「玄冬」と続きます。