左から、白切鶏(蒸し鶏と訳されることが多いですが、実際は茹でて作られることが多いです)の唐辛子ソース、皮蛋豆腐の青唐辛子ソース、右端はレンコンの香料煮です。
さて、中国の考え方では、食べ物には酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩(鹹)からいの5つの味があり、また、体に対して温めたり、冷やしたりする作用(熱、温、涼、寒)があり、更にそれぞれの食材には、体に対して何らかの薬理作用があると考えられており、これらのバランスを考えて料理すべきであるとされています(また、当然ですが、おいしくなければ話になりません)。
ところが、現代栄養学では、野菜や肉類(タンパク質)、穀類(でんぷん)など食べ物を主な栄養素で分ける傾向にあり、カロリーやビタミンなどの栄養素=物質ばかりに気を取られて、訳がわからない料理が出来上がったりします(一部の学校給食のメニューなどでよく見受けられます)。
では、どうすればいいのかと言うことになりますが、体によい食事の原則は、「その土地で採れる季節のものを、伝統的な調理方法で食べる」のが基本となります。日本の伝統的な食事は、日本の自然環境の特性や、日本人の体質的な特徴を漢方的に考えても、理にかなっていると思いますし、現代栄養学ではわからないことが山のようにあるという事も認識しておくべきだと思います。