“太平燕”と書いて“たいぴんえん”と読みます。
もともとは、福建料理のひとつで、アヒルの卵をゆでたものと福建省で燕と称されるワンタンのようなものが入ったスープ料理 だったものが、明治時代に九州に伝えられ、ゆで卵を揚げたものと、春雨の入ったスープ料理として、熊本を中心に食べられている料理です。
名前の“太平”とは、福建語でアヒルの卵をあらわす「鴨卵」の発音が“乱を制圧する”という意味の「圧乱」と同じで、乱がおさまり“太平”の世になるというしゃれからつけられたとされています。
さて、写真は、熊本の老舗中国料理店で、太平燕の発祥店のひとつとされる紅蘭亭さんでいただいたものですが、このお店の太平燕に対するこだわりとして、豚骨と鶏のスープ、緑豆春雨、揚げたゆで卵、福建省の天然塩、そして「おいしく作ろうとする心」の5つを掲げておられます。
この「おいしく作ろうとする心」に関しては、言うのは簡単ですが、お店のスタッフの対応などを見ても、このお店に関しては本物だと感じました。また、こういった気持ちは、冷凍食品や加工食品、コンビニ弁当やファーストフードには、かけらも存在しないものですが、こういった気持ちが入った食べ物は、それだけで補気作用があると思います。