漢方から見た子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋細胞が大きくなる病気で、特に30代~40代に多く見られる良性の腫瘍です。漢方では筋腫は、気血の流れが滞ることで生じた「血」や「水」のかたまりととらえて治療します。

漢方治療では筋腫そのものの縮小には相当時間がかかりますが、生理痛や月経過多、あるいは下腹部のしこり感などの改善は比較的早く(1~3ヶ月)、また筋腫が大きくなるのを防ぐ効果は十分に期待できます。

原因は「寒邪」と「内傷七情」

特に月経時に薄着をするとか、普段から冷たいものや生ものをよく食べるといった生活から、「冷え」が体の中に入ってきて「気」や「血」の流れが滞ることと、内傷七情=ストレスの影響で「気」の流れが滞り、つれて「気」のエネルギーで流れている「血」の流れも悪くなって、かたまり(=筋腫)が生じると考えます。

大きく分けると3タイプ

・「血淤(けつお)タイプ」
おなかのしこりが固く、固定して動かない上にさわると痛む感じがする。生理の時には経血の色が暗紫色でレバー状の血塊が混じる。

・「気滞(きたい)タイプ」
精神的なストレスが主な原因で、「血」の流れが滞りかたまりを生じたタイプ。お腹の上からさわってもしこりは固くなく、押せば移動するような感じがする。月経前症候群など多くは生理痛を伴う。

・「痰湿(たんしつ)タイプ」
もともと胃腸機能に問題があって水分の代謝異常と「気」や「血」の流れの異常が結びついてしこりを生じたタイプ。普段からおりものが多く、めまいや乗り物酔い、胃腸症状などを伴う事が多いタイプ。

以上、大きく分けると3タイプに分かれますが、実際はそれぞれのタイプの混合型や、内膜症など他の病態を併せ持っている事もあります。

普段の時と生理時で処方を使い分ける

基本的に「気」「血」「水」の流れを良くしてしこりを取り除く方向で治療しますが、子宮筋腫がある場合は普段から月経過多の方が多く、そういう方には特に生理の時期に血の流れを良くしながら不要な出血をおさえる生薬や処方を用います。また、貧血の症状の強い場合は血分を補う処方を併用することもあります。

おすすめの漢方薬

・冠脉通塞丸(かんみゃくつうそくがん)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・加味平胃散(かみへいいさん)
・二陳湯(にちんとう)

 など

おすすめの健康食品・サプリメント

・田七人参(でんしちにんじん)
・霊田七(れいでんしち)

 など

1ヶ月分のご予算

5,000円~18,000円

「疾患・症状と漢方薬」に関するFAQ

Q:西洋医学的な病名にあった漢方薬を服用してますが効きません。


A:漢方薬の効能は西洋医学的な言葉で書かれていますので、病名が合致しててもその漢方処方が本来使用されるべき体質でなければ効果がないばかりか副作用のリスクも増大します。


Q:漢方薬と西洋薬の併用に問題はないですか?


A:漢方薬と西洋薬との相互作用についても注意する必要があります。ご相談の際には服用中の西洋薬やサプリメントをお教え下さい。