漢方から見たむくみ
これといって明らかな原因が見あたらないのに、よくむくんだり、むくんだ状態が慢性的に続くという方は多いと思います。漢方では「内湿」と呼ばれる状態ですが、体の五臓六腑のバランスが乱れていることが原因です。
「水」の代謝に関連する五臓六腑
1.「肺」・・・漢方の考え方では「肺」は水分を全身に送り出し、不要な水分を下半身に送るという作用(宣散粛降作用)を持っています 。
2.「脾胃」・・・「脾胃」=胃腸には、食事から摂る水分以外にも、唾液から始まって胃液や胆汁などの消化液が1日に10リットル程度は分泌されて小腸で再吸収されています。このため 「脾胃」=胃腸は水分代謝に大きく関わっています。
3.「腎」・・・「腎」は体に必要な水液が貯えられている場所でもあり、また「肺」によって送られてきた不要な水分を膀胱から排泄するのをコントロールしています 。
4.「肝」・・・「肝」は全身の「気」の流れをコントロールしていますが、「気」のエネルギーで全身を巡っている水分の流れにも影響を与えます 。
5.「三焦」・・・五臓六腑といった場合、五臓に対応していないもう一つの「腑」が「三焦」で、水液の通路と考えられています
以上、体内の様々な臓腑が水液の代謝に関連しており、これらのうちのどこかに問題があれば水液の代謝が滞り、むくみの原因となってしまいます。また、細かく分けていくと何種類ものパターンが考えられますが、よく見受けられる「むくみ」のパターンを二つ挙げておきます。
ストレスタイプ
・主な症状・・・イライラしたり、口の中が苦く感じたり、頭がふらついたりしやすく、軽いむくみが繰り返して発生する。また、胸や脇が張ったような感じがしたり、女性の方では月経前にこれらの症状が強く出るといった特徴があります。
・原因と対処法・・・ストレスなどの影響で、三焦の水液の流れがスムーズにいかないことが原因で、漢方薬では柴胡剤とよばれる処方群の適応になります。普段からストレスをため込まないように、上手に発散させることが必要です。
脾虚タイプ
・主な症状・・・食欲不振、食べた後に胃のあたりが張った感じがする、元気がない、疲れやすいなどの症状があって、主に下半身がむくむという特徴があります。また、人によっては汗をかきやすいとか、かぜを引きやすいといった症状を呈することもあります。
・原因と対処法・・・脾胃(=胃腸)のエネルギーが不足して、水液の代謝に滞りが見られる状態ですが、飲食物の不摂生や老化、慢性病などでも見られます。このタイプの方は冷たい飲み物を止めて、唐辛子などの刺激物も減らすようにすることが重要です。
おすすめの漢方薬
・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
・五苓散(ごれいさん)
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
・参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
など
おすすめの健康食品・サプリメント
・元気善玉の素(乳酸菌生成物)
・晶三仙(しょうさんせん)
など
1ヶ月分のご予算
6,000円~12,000円