元東京都消費者センター試験室長であった著者による「私たちの日常の「食」を見渡せば食品添加物ばかり。身におよぼす危険についてはいろいろ言われています。「じゃあ、どうすればいいの?」という疑問に答えるのが本書です。添加物との上手な付き合い方を懇切丁寧にお教えします。」という本です。
先日ご紹介した「食品の裏側」に対するハウツー本とでもいうような位置づけですが、日本に於ける食品添加物の歴史や、その危険性などの解説から始まって、身の回りの加工食品にちょっと手を加えるだけでできる「毒消し」の方法なども紹介されています。一部を紹介すると
・インスタントラーメンはゆでこぼす
・焼き肉のたれは、肉を焼いてからつける
・豆腐はパックから出し水につける
・ハム、ベーコンは湯ぶりする
などですが、
・食パンには青のりバターを塗る
・焼きたらこは、おろしだいこんをつける
など、食材の持っているパワーを利用しての「毒消し」なども紹介されています。
また、最近話題になっている活性酸素の害を防いで免疫力を高めるためのメニューの紹介や、最後の章では「どうする、こんなとき」として、Q&A方式で添加物の害が少ないのは何弁当とか、冷凍コロッケでは揚げてあるのと揚げてないのではどっちが安全であるかといったことにもふれています。
(著者:増尾清、(株)ぶんか社発行 2006年11月)
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先日の「食品の裏側」にしろ、本書にしろためになる本であるのは間違いないですが、漢方の立場から見ると、添加物という「物質」のみを捉えた議論に終始しているように感じられます。
同じ添加物でも体調の悪い時と良い時、あるいは人によってもその弊害は違ってくるということと、口に入ってからどう対処すれば良いかという視点に欠けるように思います。
そういった思いから、このブログに2回にわたって書いたのが「有害物質から身を守る方法」と「有害物質から身を守る方法(2)」です。