かつて「粗食のすすめ」というベストセラーを書かれた管理栄養士である幕内秀夫先生が、持論のポイント部分を具体例を挙げながら解説した本です。主な項目だけを抜き出してみると
・病院が患者さんに「食生活」を指導しない意外な理由
・「1日何品目食べればいいのか」〜健康には関係ありません!
・「バランスのとれた食事」は、その土地によって違います!
・「ほとんどのパンはお菓子」と考えよう
・無理はしない。「当たり前の食生活」が体に一番いい!
など数十項目に渡っています。
幕内先生の持論は「極端な食事療法は1000人のうち3人しか実行できるものではありません。そして、必ずリスクがあります。それよりは、当たり前の食生活を見直していただきたいと思います。」との事で、何が「当たり前」なのかをわかりやすく解説されていますが、一言で言えば日本の伝統的な食事こそが「当たり前」という事だと思います。
ただし、「亡食の時代」とも言われる現代に於いて、今の20代以下の若い人にとっては、「日本の伝統的な食事」といっても具体的なイメージがわかないかも知れません。
個人的には、漢方の考え方〜大げさに言えば東洋哲学をベースに考えても、幕内先生の考え方に共感する点は多いのですが、普通の人にそういった考え方を理解してもらおうとしたときの困難さは年年、増すばかりです。
さて、本書の最後にはホリスティック医学を実践されている帯津三敬病院の帯津院長が医師の立場から
・「西洋医学+中国医学」でガンを克服する!
・「ガンになったら何を食べたらいいのか」という問題
・「自分自身を高める」という気持ちで食事をすることが大切など十数項目について書かれています。
(帯津良一、幕内秀夫著、「なぜ「粗食」が体にいいのか 、2004年5月初版、三笠書房〜知的生きかた文庫)