葬られた「第二のマクガバン報告」(中)

Photo  以前にご紹介した本の続編です。上巻は、中国に於ける大規模な食と健康の疫学的調査の結果が中心でしたが、本書では主として欧米に於ける様々な疫学的なデータをもとにして、心臓病、肥満、ガン、認知症、黄斑変性症、自己免疫疾患、骨粗鬆症などの疾患と食事の関連性について解説されています。

 また、これらの疾患の予防や改善につながる食事は、共通して「プラトンベースでホールフードな食事(※)」であり、それこそが人類にとっての「真実の「食」」(本の帯より)であることが豊富なデータと共に解説されています。(※:プラトンベースのホールフード=植物性で未精製な食品)

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 現代日本人の食の問題について、東洋医学的な観点からみた場合、戦後に於ける急速な食の欧米化と食品の栄養面のみを重視する栄養学至上主義が日本人の健康に相当な悪影響を与えていると考えられますが、欧米での西洋医学的な調査によってもそのことが確かめられたといえます。

 「生活習慣病」の原因は、文字通り生活習慣にあるわけですが、その大半は食の問題であり、本書に例として挙げられている各種の疾患のみならず、何らかの不調を感じつつ生活されている方、あるいは情報が氾濫しすぎて何を食べたら良いのかわからなくなっている方に是非ご一読をお勧めします(“改善されないままの「現実」を憂えるか、本書に記された「真実」を確かめるか(本書の帯より)”)。

 また、こういった本はトンデモ本のように思われる方もいるかも知れませんが、一見、情報が飛び交っているように見える現代社会に於いて、食品メーカーや外食産業などのスポンサーが付かない情報は、あまり表に出てこないという事も理解すべきだと思います。特に、本書の勧める健康でいるための人間本来の食事については、数千年の歴史をもつ(言葉をかえれば膨大な人体実験を経ている)東洋医学的な考え方と共通する部分が多いだけでなく、幸か不幸か平安時代以来長きに渡って肉食から遠ざかっていた(即ち、そういった食品の代謝に関して遺伝的にハンディキャップをもっていると考えられる)日本人には、一読の価値のある本です。

 

 

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