日本で人気のある中華料理のベスト3に間違いなく入るであろう麻婆豆腐は四川料理の一品ですが、その歴史は意外と短く、清朝の時代に陳家のあばた顔のおばあさん(=麻婆)が考案したとされています。
日本では、戦後、日本の中華料理界に多大な影響を与えた陳建民さんが辛さを抑え、中国山椒(花椒)の代わりに胡椒を使うなど日本人向けにアレンジしてポピュラーなメニューとなりました(中国では、四川省以外ではそんなにポピュラーな料理とは言えません)。
本来は写真のように、真っ赤になるほどの唐辛子と舌がしびれるくらい中国山椒を使い、ネギではなく葉ニンニクが使われます。また、本場四川省では豆腐の角はつぶれていないというのが正式とされています。
また、麻婆豆腐に欠かせない豆板醤は、本来そら豆を発酵させたもので、日本で一般的な唐辛子入りの赤い豆板醤は、豆板辣醤(トウバンラージャン)と言います。因みに、そら豆は中国語では蚕豆と言い、薬膳的な効能としては健脾利湿(胃腸の働きを良くしてむくみなどを解消する)となっています。