日本でも人気のある春巻きですが、英語でもスプリングロールと呼ばれています。これは、もともと中国の風習として、新春を迎えたときに、小麦粉でつくったクレープ状の春餅(チュンビン)とよばれるものと、紅芯大根などの生野菜を食べるという習慣があり、後に春餅で野菜を捲いて食べるようになり、更にそれを油で揚げて現在の春巻きになったという歴史があります。
ですから、春巻きは文字通り春(新春)の食べ物です。現在では、春巻きの具として様々なものが使われますが、もともとは、野菜が中心で、新春ということではタラの芽やワラビなど山菜の新芽などもよく使われます。中国語では、タラの芽などの新芽を椿芽(チュンヤー)と呼び、生命力の宿る部位として珍重されています(同じく白菜でも、中華で最も値打ちがあると考える部位は芯の部分です)。
因みに山菜の王者とも呼ばれるタラの芽は、高麗人参などと同じウコギ科の植物で、その根(タラ根)は、民間薬として糖尿病などに使われています。