宴会シリーズ第2弾です。中華のコース料理では、前菜の後にスープが出てくることが多いものですが、これは前菜がだいたいにおいて冷菜であるために、おなかを温めてこれからの料理の消化に支障をきたさないようにという意味があります。
温かくない料理には熱いスープやお茶が付き物というのは、和食でも寿司に於ける赤だしや熱いお茶、更にガリと呼ばれる生姜(おなかを温める作用があります)が付き物であるのと同じ事ですが、人間が健康に生きていくためにはおなかを冷やしてはいけないと言う人類の長年の経験則から出てきた習慣だと思います。
ところが現代日本の食生活を考えると、人類史上、冷たい飲食物を最も多く摂取しているのではないかと言うほど、漢方で言うところの「生冷過食」状態です。食べ物にはそれぞれ、体を温めたり冷やしたりする性格がありますが、冷蔵庫から出してすぐのものを口にするという事は、それだけでも胃腸には相当な負担になります。
最近は政府の方でも「食育」などと言い出していますが、食べ物に含まれる栄養素やカロリーも大事ですが、現代日本に於いては、同じ食品を食べても温度が違えば体が受ける影響はかなり違って来るという発想を持つことが一番大事なような気がします。