翡翠(ひすい)は中国では最も人気のある宝石の一つですが、碧色をあしらった料理の名前にも好んで使われます。
この涼麺の美しい碧色は、オクラとキュウリを裏ごししたものですが、薄いオレンジ色をしたウニがアクセントになっています(最後に、全体にすりごまがふりかけられています)。中華では「色・香・味・形」の順に重視されると言われますが、すばらしい色彩の一品です。
さて、ウニは中国語では海胆(ハイダン)と言いますが、中国ではあまり一般的ではありません(というか、一説には世界のウニの消費量の8割は日本で消費されていると言われています)。ウニは、可食部が生殖巣であり、薬膳的な効能としては滋養強壮作用(補腎作用)があるとされています。
栄養学的にも、ベータカロチンやビタミンB1、B2、Eなどのほか、鉄やセレンといったミネラルやEPAも含まれています。難点と言えば、市販されているウニの大半に、形が崩れないようにミョウバンが使われていることで、ウニ本来の甘みが相殺されていることです。