冬瓜(とうがん)は、東南アジア原産のウリ科の野菜で、もちろん夏の食べ物ですが、保存状態がよければ冬までもつことからそう呼ばれています。
冬瓜自体は淡白な味ですが、スープやあんかけなどで味がしみ込みやすいのが特徴で、中華では多用されます。
写真のスープは、鶏のスープに冬瓜と牛のレバーを入れて、蒸してあります。中華のスープは、鶏や金華ハムで基本的なスープをとってから、そのスープと具を器に入れて蒸し上げるという手法をとります。そうすることで、具の味がじんわりとスープに移行し、上品な仕上がりになります。
中華と言えば、強火で鍋を振るイメージがありますが、この「蒸す」という調理方法こそが中華の最大の特長と言えるもので、和食や洋食に比べて中華は圧倒的に「蒸す」という技法を多用します(干し貝柱を戻したり、豚まんや焼売は言うに及ばず、スープ、魚の蒸し物、蒸し鶏などの他、中国ではお米も蒸し上げます)
さて、牛のレバーは、貧血によい事でも有名ですが、低脂肪で鉄分のほかビタミンAやCも豊富で、尚かつアミノ酸のかたまりのようなものです。薬膳的な効用は「補肝明目・養血」で、肝臓を補い、目や貧血に良いとされています。
因みに、「目」に良いというのは、「肝」は目につながっているという漢方理論からきています。