鶏手羽先の唐揚げ(蝦醤鶏)




 鶏の手羽先(鶏翅)の唐揚げですが、蝦醤(シャァジャン)というサクラエビ科のアミ類など小さなエビを発酵させてペースト状にしたもので味付けされています。

 蝦醤は独特の発酵臭がありますが、タイ料理でもカピという名前で同様のものがあり、中華というよりエスニックな風味が強い調味料です。

 蝦醤以外にも、ナンプラー(魚醤)など魚介類を発酵させた調味料が東南アジアではよく使われます(能登半島の「いしり」や秋田の「しょっつる」も同類です)が、歴史的には大豆などの植物からつくられる醤油よりもはるかに古くから使用されていたそうです。

 発酵調味料の良いところは、動物性にしろ植物性にせよタンパク質が微生物の働きでアミノ酸などに分解されることで、旨味が生まれるとともにアミノ酸類がダイレクトに補給できる点にあります。

 様々なアミノ酸が鎖状につながったものがタンパク質ですが、タンパク質のままでは消化管から吸収できないばかりか、消化し切れていないタンパク質はアレルギーのもとにもなります。発酵食品というのは、人間の胃腸が行っている消化(タンパク質の分解)を微生物が既に行ってくれているわけで、それだけ胃腸にやさしく、かつ栄養価が高いわけです。

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