牛肉とトマト、卵の炒めもの

 そろそろ夏野菜が出まわりだしてきましたが、夏野菜の一つであるトマトも様々な品種が店頭に並んでいます。トマトは南米原産ですが、日本にも江戸時代に中国からもたらされたものの、あまり好まれず、一般に普及しだしたのは明治以降になってトマトケチャップが普及してからだそうです。

 さて、日本ではトマトといえば、まず生野菜として認識されていますが、中華では炒め物にもよく使われます。最もシンプルなものでは、トマトとたまごの炒め物がありますが、写真の料理は、牛肉の他、サヤインゲンも入っています。

 トマトの性味は、「微寒」で、体の余分な熱を冷ましてくれるという作用がありますが、中華というか漢方の考え方では、暑い時期だからと言って、冷たくして食べるという発想はなくて、余分な熱を冷ます作用のあるものを温かい料理として食べて「涼を補う」事が大事だと考えます。

 もっとも、歴史的に見て、各家庭に冷蔵庫が普及しているというのは、数十年前までなかった訳で、冷たくして食べようがなかったともいえますが、反対にいえば、現代人といえども冷蔵庫から出したてのものを日常食べていけるだけの胃腸のエネルギーも備わっていないともいえます。

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