白灼中蝦/ のどの異物感

   えびの湯引きというか茹でたものです。香港などの海鮮中華でも一般的ですが、あちらのメニューではよく「基圍蝦」と書かれています。この「基圍」というのは柵で囲(圍)んだところという意味で、すなわち養殖の蝦という意味です。

 えびは正月にはつきものですが、写真のように9尾というのは日本ではなじまないかも知れませんが、「9」という数字は最大の陽数(奇数が「陽」で、偶数が「陰」)ということで、中国では縁起の良い数字です。

 

週末topics~のどの異物感

 よく、のどに何か引っかかったような気がして、耳鼻咽喉科で診て貰っても何も異常がないといわれる方が居られますが、これは漢方では古くから知られた病態のひとつで、「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれています。

 すなわち、のどに梅の種がへばりついて塞がれた感じがするという意味で、古い書物には炙った肉片がのどに張り付いた感じがするとも書かれています。

 もちろん、のどにポリープがあったり、粘膜が炎症を起こしているというなら、その治療をすれば解消するかも知れませんが、西洋医学的な異常が見つからないまま、のどの異物感が消えないということが多くあります。

 漢方的には、この梅核気は「痰気鬱結」とよばれる病態で、簡単に言えば
 
 ・ストレスが原因で「気」の流れが停滞し
 
 ・五臓六腑のうちで「肺」「胃」の機能が停滞して水分の代謝が停滞して、
水が固まってできた病理産物である「痰(※)」が発生し
 
 ・この「痰」がのどに停滞する
  
ことで、発症するとされています。

 漢方治療では、とりあえず「痰」を除く方剤を用いながら、その「痰」の発生の原因である肺や胃の調子を整えるということで対処しますが、のどの異物感を取るだけでしたら1週間?2週間で効果が出ることが多いものです。

(※)痰といえば、一般的には口からはき出されるものを指しますが、漢方的には水分代謝の異常から水が固まったものを「痰」とよび、呼吸器疾患に限らず精神神経疾患やリンパ腫なども「痰」が関連していることが多いとされています。

関連記事

  1. 蟹肉伊麺/ 最近の風邪

  2. 金針菜 / 漢方的「冬の養生法」

  3. 胡桃酪(クルミのお汁粉) / 漢方的正しい食養生(その2)

  4. 十八街麻花/ おなかの張り

  5. すだちと汾酒の氷菓/ 急性の頻尿

  6. ナミハタの蒸し物/ 「土用」