上海蟹です。甲羅が赤く輝いているのは、うっすらと油が塗ってあって、そうすることで蒸し上がりの見た目が美しくなるとともに保温効果もあります。
さて、日本では上海蟹と呼ばれるシナモクズガニですが、中国では「大閘蟹」という呼び方が一般的で、レストランでも蟹を売っている店でも季節になると店頭に「大閘蟹」と大書きしたポスターなどが張られます。
この「大閘蟹」のいわれは、その昔、上海蟹の産地として有名な陽澄湖で、上海蟹が暗闇の中で明かりに向かってくるという性質を利用して、夜中に籠を仕掛けて、籠の入り口に明かりをかざしたところ、上海蟹が列をなして籠に入っていったという事からそう呼ばれているそうです。(「閘」は、閘門(こうもん)(=運河などで、水位を調節する水門、大阪では淀川の「毛馬の閘門」などが有名)という言葉があるように、水の中の通り道といった意味があります)