醋滷麺(ツールーミェン)は、中華スープにお酢がたっぷり入った涼麺です。
最近は、黒酢やもろみ酢などいろんなお酢がブームになっていますが、酢の薬膳的な効用としては
「健胃消食」〜食欲や消化を促す
「活血」 〜血液粘度を低下させ、血行をよくする
「収斂止痢」〜下痢を止める
「解毒」 〜魚や肉の毒を解消する
などとなっています。
現代栄養学的にも、酢に含まれる酢酸は体内でクエン酸に変化しますが、このクエン酸は抗酸化作用のほか、イライラを鎮め、筋肉疲労を解消する働きもあります。
週末topics〜「シミ」について
厳しい残暑が続いていますが、この時期になると気になるのが「シミ」です。シミは、紫外線などの影響で皮膚の基底層を中心に発生する黒色メラニンが原因です。通常なら、このメラニンは表皮から垢としてはがれ落ちてしまいますが、お肌の新陳代謝が低下すると、メラニンが表皮に残りシミやそばかすとなってしまいます。
現代医学的にもシミができる原因は明らかではなく、ホルモンバランスの異常や薬物の影響、慢性疾患の影響などが関与していると考えられています。
漢方の考え方では、なんらかの原因で「気」や「血」が顔の皮膚を十分に養うことが出来なくなる結果、シミが発生すると考えられています。
漢方的に見た「シミ」のタイプ
・気滞血淤(きたいけつお)タイプ
頬のあたりに濃いシミができる事が多いタイプです。普段からストレスが多く、「気」の滞りが「血」の流れをも悪くしているというタイプです。
その他の症状としては、イライラしやすい、生理前になると胸や脇が張ったり生理痛がある、冷えのぼせ、不眠、げっぷやガスが多いというタイプです。
このタイプの方には、逍遥散や四逆散といった「気」の流れを良くする処方がベースに使われます。
・肝腎不足(かんじんふそく)タイプ
境界が比較的鮮明な褐色のシミができやすいタイプです。老化などによって五臓の「肝」と「腎」のパワーが不足しているタイプです。
その他の症状としては、足や腰に痛みやだるさがある、めまいがするなどの症状が現れるタイプです。
このタイプには、杞菊地黄丸などの「肝」と「腎」を補う処方がベースに使われます。
・脾虚湿滞(ひきょしったい)タイプ
泥色のような汚れた感じがするシミができやすいタイプです。胃腸の機能が弱くて、水分代謝が悪いというタイプです。
その他の症状として、食欲不振、食後におなかがはる、または眠くなる、軟便がち、むくみやすいなどの症状があるタイプです。
このタイプには、香砂六君子湯や参苓白朮散などの胃腸機能を改善する処方がベースになります。
「シミ」ができやすい体質としては漢方的には以上の3タイプに分類されますが、それぞれの体質改善をおこないつつ、「血」の流れを改善する冠元顆粒や田七人参などを併用します。
また、最近注目されているのが中国の内モンゴルやチベットの標高2000m以上の痩せた土地に自生する沙棘(サージ)という植物からとったサプリメントオイルで、ビタミンEやC、β―カロテン、フラボン類など抗酸化力の強い成分を豊富に含み、お肌のサビともいえるシミやたるみを防ぐ効果があります。