牛乳については、以前にも書きましたが、白人と違って日本人や中国人の殆どの人は、離乳期を過ぎると、乳糖を分解する酵素の活性が低下していきます。
乳糖不耐症のように、牛乳を飲めばお腹をこわすというほどでなくても、牛乳は胃腸に負担になり、これを漢方的にみれば、体内に余分な「湿」を生じさせることになります。
体内に生じた余分な「湿」は、「気」の流れを阻害したり、アトピーなどの「湿」疹や、多くのアレルギー疾患の症状を悪化させます。
また、前回のtopicsで書いた、気虚タイプの人にとっては、症状を悪化させる要因となります。
牛乳自体に含まれる、タンパク質やカルシウムは確かに体にとって必要な栄養素ですが、健康にとって胃腸機能の低下の方が問題です。
週末topics〜漢方的ダイエット(その3)
前回は、漢方的に見た肥満のタイプの中で、最も多い「気虚太りタイプ」について書きましたが、今回はその他の3タイプについて・・・
(2)気滞(きたい)太りタイプ
「ストレスが多く」、「体重の増減が激しい」というタイプです。
・ストレスが多く、イライラしがち
・思いこみが激しく、気分にムラがある
・お酒やタバコ、コーヒーに依存しがち
・生活が不規則
というような方で、気(エネルギー)の流れが滞っているため、余分なものを溜めて太るタイプです。
ストレスで食欲が増大し、体重が増えると急激にダイエットするなど、体重の増減が激しく、お腹が中心に太ることが多いという特徴があります。
対策としては、普段からストレスをため込まないようにする事が大事です。漢方では、滞った「気」の流れを良くするような処方を用います。
(3)湿熱(しつねつ)太りタイプ
「食欲が旺盛」で、全体的に太っているというタイプで
・暑がりで汗っかき
・ニキビや吹き出物などの肌のトラブルが多い
・便秘気味ながら、体調を崩すと下痢しやすい
という方で、体の中に余分な「熱」と「湿」を抱えているタイプです。
漢方的には、体内の余分な湿(水分)や熱を取り除くような処方を用いながら、体質を改善していきます。
(4)淤血(おけつ)太りタイプ
「全体的に太っている」、「見た目より体重がある」というタイプで
・お肌のくすみ、シミ、そばかすが気になる
・頭痛や肩こりがある
・冷房に弱く、お腹や下半身が冷えやすい
・生理痛がひどい
という方です。淤血(おけつ)とは、血液がドロドロということですので、そのままでは身体の正常な新陳代謝も期待できません。漢方的にはこのドロドロ血液をサラサラ血液にすることで、体質改善をはかります。
また、血液がサラサラになることで、シミや肩こりなども改善していきます。因みに、女性の方で子宮筋腫というのもこの淤血が原因となります。
以上、今回は気虚タイプ以外の3つのタイプをご紹介いたしましたが、いずれにせよ一時的な体重の減少を目的にするのではなく、「太る」体質を改善することで、健康的に、尚かつ美しい体になる事を第一に考えます。