冬虫夏草/五臓六腑〜「肺」

 


 冬虫夏草(とうちゅうかそう)は、コウモリガの幼虫に、フユムシナツクサタケの胞子が寄生して子実体を形成したもので、「肺」と「腎」を補う要薬です。

 効能としては「滋補肺陰」「益腎陽」「補虚」で、喘息など慢性的に咳が続いたり、老化などによる体力や免疫力の低下に効果があります。

 薬膳料理でも、この冬虫夏草とアヒルのスープ(虫草全鴨)は、滋養強壮の薬膳料理として有名です。

週末topics〜五臓六腑について(その4:「肺」)

(4)「肺」について

 漢方でいう「肺」とは、呼吸機能のほか体液(水分)代謝の一部や体温調節、免疫機能の一部をも含めた機能系を指します。

具体的には

・呼吸機能をコントロールする(皮膚呼吸、汗腺の調節にも 関与する)

・体内の「気」「血」「水(津液)」を全身に送り出すこと で、様々な機能を調節する

・余分な水分を下半身に送り出し、尿として排出する

・「衛気」に深く関与し、皮膚や粘膜の防御力を維持する

などの機能をもっています。また、鼻とも関連性が深く、嗅覚も「肺」によってコントロールされています。

臨床上では

・喘息や気管支炎などの呼吸器疾患

・蓄膿症や鼻炎(花粉症)など鼻の疾患

・アトピーなどの皮膚疾患

などと関連が深く、その他、風邪をひきやすいとか上半身のむくみも「肺」が関与しています。

また、臓腑の関係では「肺」は「大腸」と裏表の関係にあり、整腸作用のある乳酸菌などでアトピーや花粉症が改善するという最近の西洋医学の知見は、漢方的に見てもうなずけます。

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