一般的なニンニク(大蒜:タースアン)以外にも中華では、料理によって葉ニンニク(蒜苗:スアンミャオ)や茎ニンニク(蒜苔:スアンタイ)などもよく使われます。
写真の右が葉ニンニクで、日本でもお馴染みの回鍋肉や麻婆豆腐に使われる他、細切りにしてそのまま前菜などにも使われます。見た目はネギのようですが、明らかにニンニクの味がします。
真ん中のものは葉ニンニクの中でも黄ニラのように軟白栽培した蒜黄(スアンフヮン)で、食感が柔らかくてニンニクの臭いもマイルドです。
左は「ニンニクの芽」として日本でも定着している茎ニンニクで、炒め物などによく使われる
週末topics〜「痛み」について
暖冬と言われつつも、ここ何日か寒さが厳しいですが、この時期は神経痛や腰痛などの症状が悪化しやすいものです。そこで今回は、「痛み」を漢方ではどう捉えているのかという事について説明させていただきます。
漢方では簡単に言えば、「気」の流れが悪くなると「しびれ」が発生し、「気」の流れが遮断されると「痛み」が発生すると考えます。
「気」の流れが遮断されると言うことは、包丁で指を切った場合でも切れた所で「気」が流れなくなって「痛み」ますが、一般的な神経痛などの場合でもなんらかの原因で「気」の流れが悪くなって「痛み」が発生すると考えます。
「気」の流れが悪くなる原因としては内因、外因とも様々なものが関係しますが、多く見られるのは「気血の不足」「ストレス(気滞)」「冷え(寒邪)」「湿気(湿邪)」などです。
「気血の不足」とは簡単に言って栄養の不足(「不栄則痛」)で、流れるべき「気」の量が少ないために流れが悪くなって痛むということです。また、このタイプの方はちょっとした寒さなどでも影響を受けやすくなりますが、治療上は体を補っていく事に重点を置きます。
ストレスや冷えによって引き起こされる場合(「不通則痛」)は、何ものかが「気」の流れを邪魔することで「痛み」が発生すると考えます。この場合は、「気」の流れを邪魔しているものを取り除いて「気」の流れを回復することに重点を置いて治療します。
よく整形外科でレントゲンを撮ってもらったら、脊椎のこの部分が狭くなっているから痛むという説明がなされますが、同じように狭くなっていたり、ゆがんでいれば同じように痛むかといえば、決してそんなことはありません。
漢方的に見れば背骨が多少ゆがんでいようが、そこに「気」が流れれば痛みはなくなりますし、レントゲン写真に変化はなくても冷えやストレスにより痛みが増強することもあると考えて対処していきます。(だいたい中年過ぎて、骨格標本みたいにきれいな骨の並びをしている人なんてまずいません。)