漢方から見たくちびるの乾燥

冬場など空気が冷たく乾燥する時期は、くちびるは乾燥しやすくなりますが、そういった季節要因に関係なく、一年中くちびるの乾燥が気になるという方は意外に多いものです。

一般的には漢方でいう「血虚(けっきょ)」=血の気が少ない状態では、くちびるや口の中が乾燥しやすくなりますが、漢方の考え方ではくちびるは五臓六腑の「脾=胃腸」と関係が深く、慢性的にくちびるが乾燥している方は主に次の2つのパターンが考えられます。

これらのタイプでは、くちびるが乾燥する原因が身体の中にありますので、いくらリップクリームを塗っても根本的に改善することは期待できませんが、漢方薬で身体の中の状態を改善することで徐々にくちびるの乾燥は改善していきます。

○脾胃実熱タイプ

くちびるの乾燥よりも赤く腫れたり、くちびるが切れたりすることが多いタイプです。原因としては普段から唐辛子などの辛いものや、あぶら濃いもの、アルコールなどの摂りすぎで、胃腸に余分な熱がこもることで発症します。

またその他の自覚症状としてはのどが渇く、口臭が気になる、便秘などを伴います。


○脾気陰両虚タイプ

日本人にもっとも多く見られるタイプで、どうかするとくちびるが腫れることもありますが、基本的には一年中くちびるが乾燥してガサガサして、ひどくなるとくちびるが切れたりもします。

このタイプの方は、漢方的な考え方では、脾=胃腸が干からびたような状態で、脾=胃腸とつながりの深いくちびるも乾燥しているというタイプです。胃腸が干からびた状態では、胃腸からの飲食物の栄養の吸収がうまくいかなくなるため、「やせの大食い」と呼ばれるようなたくさん食べても太らない(太れない)、便通に関しても軟便がちか、便秘がちの方でもどうかするとおなかをこわして下痢になったります。

また、胃腸機能の低下状態(食後に眠たくなるとかおなかが張るなどの自覚症状を伴う状態)が続くと、食べ物からの栄養吸収がうまくいかなくなり、胃腸そのものにも栄養が行きわたらなくなって、胃腸とつながりの深いくちびるまでも栄養不足、すなわち乾燥して荒れやすい状態になると考えられています。

また、くちびる以外にも指先も乾燥して荒れやすくなるほか、胃腸の水分代謝異常からむくみやすくなったり、女性の方ではおりものが多くなったりもします。

また、このタイプの方は花粉症、アトピー性皮膚炎などを発症しやすくなります。

おすすめの漢方薬

  • 参苓白朮散(じんれいびゃくじゅつさん)
  • イスクラ健脾散(せいかけんぴさん)
  • 調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
  • 扶陽理中(ふようりちゅう)

など

おすすめの健康食品・サプリメント

  • 晶三仙(しょうさんせん)
  • FK23乳酸菌
  • 元気善玉の素

など

 

1ヶ月分のご予算

6,000円~10,000円

「疾患・症状と漢方薬」に関するFAQ

Q:西洋医学的な病名にあった漢方薬を服用してますが効きません。


A:漢方薬の効能は西洋医学的な言葉で書かれていますので、病名が合致しててもその漢方処方が本来使用されるべき体質でなければ効果がないばかりか副作用のリスクも増大します。


Q:漢方薬と西洋薬の併用に問題はないですか?


A:漢方薬と西洋薬との相互作用についても注意する必要があります。ご相談の際には服用中の西洋薬やサプリメントをお教え下さい。