街のうなぎ屋さんが活気づく土用ですが、土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前の18日前後(春夏秋冬の最後の18日前後)を指し、1年に4回あります。
土用の土は五行説の木、火、土、金、水からきていますが、五臓でいえば土は脾、すなわち胃腸に相当します。よって、季節の変わり目に体調を崩しやすい方は胃腸機能が弱いことが多く、また、湿気は胃腸機能を低下させますので、夏の土用は特に胃腸の弱い方にとっては要注意の季節となります。
こういったことを背景に、夏というよりは(夏の)土用にうなぎを食べて元気になろうという風習が江戸時代に根付いたものと思われます。因みに、うなぎの薬膳的な効能は補虚養血、去湿などで湿度が高く食欲も低下しがちな夏には適した食材といえます。
因みに、うなぎの蒲焼きの“蒲”とはガマという植物のことで、茎の上にガマの穂とよばれる円柱状の穂をつけますが、その形状がうなぎを丸ごと串刺しにした形に似ていることから蒲焼きとよばれるようになりました(昔は、うなぎをさばかずに串刺しにして焼いて食べていた)。
また、ガマの穂は黄色い花粉をつけ、この花粉を蒲黄とよび止血作用があるほか、生理痛などにもに効くとされています。