天年の甲魚(すっぽん)をどんこ椎茸や豚バラ肉、揚げニンニクなどと煮込んだ料理です。
さて、寒くなってきましたが漢方では冬は収蔵の季節といって、あまり活発にからだを動かさず、栄養のあるものを摂って体内にエネルギーをため込むべき季節であるとしています。
一見、メタボまっしぐらに見えますが、そうすることが活動期である春から始まる一年間を健康に過ごすためにも重要であるとされ、中国では冬になると漢方薬店や料理屋さんの店頭に“冬令進補”という文字が張り出され、たとえ健康な人でも冬には進んで精をつける食べ物や漢方薬を摂るという習慣が根付いています。
ところで、漢方の世界で精とは、生命エネルギーの根源物質のような存在で、精が充実していることがいつまでも若さを保つ上では重要とされています。また、カロリーの高い食べ物を食べれば精がつくというわけでもありませんし、食べ物の中から栄養の濃い部分を精としてからだに取り入れるためには、まず胃腸機能が正常に働くことが重要です。
この精を補う代表的な生薬としては鹿茸(鹿の角)や亀板(亀の腹甲)などが代表的ですが、食べものではヤマイモやスッポンなど日本でもお馴染みのものが挙げられます。また、羊肉も中国では冬場にからだを温め、精を補う食材として人気があります。そのほか、同じ食材であっても養殖や栽培されたものよりも野生のものの方が生命力に富んでいると考えられることから氣や精を補うパワーは強いとされています。