台南の米粉(“びーふん”は台湾語、中国語では“ミィフェン”))は、強いコシが特徴で太めの緑豆春雨のような食感がしました。
ところで、米が多くとれる東南アジアではビーフン以外にもベトナム料理の生春巻きで使用するライスペーパー、中国南部では米から作った豆腐~米豆腐など、米の派生品は数多くあります。日本ではうるち米から作られるものとしては、五平餅やきりたんぽなど、韓国のトッポギもうるち米から作られています。
日本では一人あたりの米の消費量が戦前のピーク時に比べて半分以下になっていますが、お米にも胃腸を丈夫にするという薬膳的な効能があるとされています。胃腸のもつ食品の消化吸収、栄養物や水分の代謝機能は漢方では五臓の一つである“脾”がつかさどっていますが、“脾は湿を嫌う”とされ、湿気の多い環境は胃腸の機能低下を招くとされています。因みに、湿気以外では冷えは脾に限らず内臓の機能を低下させます。
日本は年間降水量が世界平均の2倍以上で湿度が高く、そういった環境で暮らすと必然的に胃腸の機能が低下しがちです。また、湿度の高い環境は食物が発酵しやすく、言うまでもなく発酵食品は腸内環境を整えてくれます。よって、日本の自然環境を考えると米を主食にして糠漬けやみそ汁、納豆といった発酵食品を摂ることは理にかなっています。
胃腸が弱いと自覚されている方は、1日1食はごはんとみそ汁を食べることをお勧めします。