春タケノコと川海苔を素揚げにしたものです。タケノコは精が強いとして、和食でも若竹煮のようにワカメと組み合わせることが多いですが、栄養学的にはタケノコに含まれ、摂りすぎると結石ができたりするシュウ酸をワカメに含まれるカルシウムなどで中和する意味があるとされています(やはりシュウ酸を多く含むホウレンソウにかつお節を添えるのも同様の意味があります)。
タケノコは、旬日(甲(きのえ)の日から癸(みずのと)の日までの10日間のこと)で竹になることからくさかんむりに旬で筍(たけのこ)と書きますが、地面から顔をのぞかせたと思ったらみるみるうちに竹に成長していく様は、生長力というか生命力の旺盛さを感じさせることから、古来、東洋では人気のある食べ物です。
特に春という季節は栄養を蓄える時期とされる冬が終わって活動期に入る時期でもあり、生命力の旺盛な食材を摂ることは身体のパワーを高めることにつながると考えられますので、春は新芽の食材が好まれます。
ただし、春になって活動期に入ると全身の気の巡りもよくなってくる訳ですが、ストレスなどで気の巡りが滞りがちな方にとっては、滞りがより強くなってしまうことで、ストレス性の症状が顕在化しやすくなる時期とされています。具体的には、何もする気がしないとか、ため息やゲップが増える、胸や脇が張って苦しいといった症状から、まぶたの痙攣、不眠などの症状が強くなりやすい季節でもあります。
このような症状を和らげるためには、散歩などで自然とふれあうことが大事で、何もしたくないからといって家に閉じこもっていると症状がますます悪化します。また、食べ物ではミント系のものや香味野菜などが気の巡りを良くしてくれるのでお勧めです。