ABO式の血液型に関して、それぞれの血液型特有の性格があるとする説は根強いですが、近年、腸内細菌に関する研究が進むにつれ、どうやら血液型によって性格の違いが生まれ得る可能性が科学的に説明できるかもしれない事が明らかになってきています。
まず、ABO式の血液型とは赤血球に固有の抗原の有無によって分けられるわけですが、東北大学の齊藤教授らの研究で、人の腸管には血液型に応じて結合する血液型乳酸菌なるものの存在が明らかにされました。
要するにそれぞれの血液型固有の乳酸菌が腸管内に存在することになりますが、一方で脳腸相関~脳と腸(内細菌バランス)は相互に影響を与えている~の関係から、腸内常在菌が宿主の思考や精神状態に影響を与えていることが知られており、血液型に特有の常在菌が存在することは同じく血液型特有の思考や行動が存在してもおかしくないことになります。
もちろん、そういった血液型乳酸菌以外にも数多くの常在菌が存在するわけですので、血液型がダイレクトに性格などを決定するわけではないですが、少なくとも血液型による性格診断に全く根拠がないとはいえない事になります。
腸内細菌については、そのバランスの善し悪しが、便通だけでなく免疫力やアレルギー疾患などと関連していることも科学的に証明されていますし、うつ病などの精神神経疾患とも関連性が強いことがわかってきています。また、精神的なストレスが直接、腸内の細菌バランスを悪化させることも知られており、そういった意味では人の疾患や精神状態は腸内細菌バランスが決定しているといった方が良いかもしれません。