連日の猛暑が続いていますが、夏野菜を代表するナスの中華風の煮浸しです。ナスの上に載っているのは台湾バジル(九層塔)です。
バジルといえばイタリアンというのが現代日本の感覚でしょうが、バジルはインド原産のシソ科の植物で、東南アジアでは一般的な食材です。葉っぱ意外にも種はバジルシードとして水分を含むとゼリー状に膨張し、デザートなどにも応用されます。
このバジルシードは、江戸時代には日本でも利用されており、水に入れて膨張したバジルシードで目についたホコリなどを取り除いていたようで、メボウキと呼ばれていました。
シソ科の植物は一般的に香りが良く、薬膳的には“気”の流れを良くする効果と胃腸の緊張をほぐして通りを良くする作用があります。生薬の世界では紫蘇葉のほか、夏かぜに用いられるカッコウ正気散の主成分であるカッコウ(パチョリ)もバジルに似た香り高いシソ科の植物です。