昨日は、久しぶりに大相撲を観に行きました。最近の大相撲は、不祥事の影響から抜けきらず盛り上がりに欠けると言われていますが、競技というかスポーツとしての側面に関しては物足りないかもしれませんが、もともとが神事でもあるわけで、そういう観点から見れば、それなりに趣のあるものです。
写真は、中入りに際しての幕内力士の土俵入りですが、テレビではあまり写らない屋根の部分に注目すると、四方から4色の大きな房と、紺色の水引の真ん中からも4色の小さめの房が垂れ下がっているのがわかります。
これは四房と呼ばれており、五行説にも通じるもので東が青、西が白、南が赤、北が黒色になっています。五行の残り一つは中央を表し、色は黄色で土を表しますので、土俵の土は黄色いわけです。
力士、とりわけ横綱の土俵入りは地面を踏み固めて邪悪なものがわき出てくるのを押さえつけるという意味が込められています。
そもそも横綱の綱とは、しめ縄であって、そう考えるとご神体に近い存在でもあるわけで、ひと頃話題になった横綱の品格という問題もこういった思想を背景にしているはずです。
テレビのスポーツコーナーだけ見ていると、勝った負けたの話ばかりですが、本来がそういったものではないので、相撲協会もその点をもっとアピールした方がよろしいんじゃないかなどと思いました。