黒酢の酢豚は日本でも定着した感がありますが、上海料理では甘めの味付けにして冷めたものを前菜としていただきます。
写真の酢豚も、その上海式で豚肉とナガイモが使われています。
ところでナガイモは、生薬(生薬名:山薬(サンヤク))としても用いられ、五臓の脾(胃腸)、肺、腎を補う作用があるとされています。
特に胃腸の粘膜を強くして、気力を高める作用や、肺、すなわち気管支やお肌を潤わす作用があります。また、胃腸の機能を高める事とも関係しますが、生命の根源物質とも言われる精を増やして老化予防効果もあるとされています。
昨年の夏にも富山大学の研究で、ナガイモなどに含まれるジオスゲニンという成分がアルツハイマー病の予防に有効との発表がありましたが、漢方的な薬効を裏付けるものと考えられます。
尚、ナガイモの潤い効果は、加熱するよりもすりおろしたりして生で食べる方が良いとされ、元気をつける効果は加熱した方が良いとされています。