シンプルですが、香り高い 杏仁豆腐です。初夏らしく酸味のきいたシロップが添えられています。
杏仁豆腐の原料は言うまでもなくアンズの種=杏仁(きょうにん)で、止咳平喘作用のある生薬として用いられるほか、鎮咳去痰剤のキョウニン水の原料でもあります。
一般的に、薬用には北杏仁とも称される苦味と独特の香りが強い品種が、食品用には南杏仁とか甜杏仁と呼ばれる品種が用いられます。
北京の近くに杏仁の一大産地がありますが、乾燥地帯である北方の騎馬民族が飲んでいた杏仁をつぶしたものを熱湯で煮出したもの(杏仁酪)が杏仁豆腐の原型とも言われています。
因みに、杏仁の粉末(杏仁霜)をアーモンドパウダーと言ったりもしますが、杏仁の見た目が同じバラ科のアーモンドとそっくりなのでそう呼ばれているだけで、杏仁豆腐の原料がアーモンドという訳ではありません。