蓮の実を裏ごししたものを豆乳で溶いた甜品(デザート)です。
蓮の実は、蓮肉や蓮子とも言い、食品だけでなく生薬としても用いられます。別名を「脾果」と称し、脾、即ち胃腸に良いだけでなく、心や腎をも補う作用があるとされています。
胃腸に対しては、西洋薬の胃薬のような作用ではなく、胃腸そのものに栄養を与えて元気にするような作用です。
胃腸は食べ物の消化だけでなく水分や栄養物の代謝や吸収、便の排泄だけでなく、免疫(腸管免疫)にも深く関わっています。蓮の実は、胃腸全体がやせ細って栄養物の消化や吸収がうまくいかない状態に対して胃腸に栄養を与えて胃腸の持つ様々な機能を高める働きがあると考えられています。
胃腸の機能低下は、自覚症状のあるなしにかかわらず、水分代謝の異常(むくみ、軟便、唇やお肌の乾燥)や食べ物から得られる気のパワーや血の不足の大きな原因になります。
また、豆乳の原料となる大豆にも胃腸機能を高め、お肌を潤す作用もあるとされています。このほか、米や豆類の多くにも同様の作用があるとされ、主食とされるものにはデンプン質の供給源というだけでなく胃腸機能を良くする働きがあります。
別の角度から言えば、現代栄養学では食品をモノとしてのみ分析しますが、東洋医学的な発想では食品にも、それぞれからだに働きかける効能があるということです。1970年代に日本でできた造語~「医食同源」の方が有名になってしまって、本来のニュアンスが薄れてしまっていますが、本来は薬食同源であり、生薬と同じく食品にも効能があるということです。