アスパラガスは、南欧起源のユリ科の植物で、日本では大正時代に北海道で栽培が始まりました。
当初は、土の中で日光を遮った状態で栽培するホワイトアスパラガスが中心で、刈り取った後も成長が続くため、缶詰に加工され高級食材として輸出されていたそうです。
成分的には疲労回復効果のあるアスパラギン酸を含むほか、抗酸化作用のある成分(βカロテンやセレン)を多く含み、アルコールによる肝細胞の損傷を防ぐ効果もあり、二日酔いにも良い食材としても知られています。
また、アスパラガスは中国名を芦笋(ルースン)と言いますが、中国で栽培されるようになったのは清朝末期からで、薬膳的な効能としては主に免疫増強作用~補気作用があるとされています。
アスパラガスの茎は成長期には1日に数センチも伸びることから、旺盛な生命力を持っていると考えられ(=気のパワーがある)、特に可食部が最も気のパワーを有すると考えられる生長点(茎の先端部分)でもあり、それだけでも貴重な食材とされています。
現代の日本では、植物の生長点こそ値打ちがあるという感覚が失われてしまっていますが、薬膳的には白菜の芯に近いところやニンジンの頭の部分など生長点と呼ばれる部位こそ最も生命力(言葉をかえれば気のパワー)に富んでいると考えられています(→ 西日本新聞「いのちいただきます」<3>生長点が大事 生きる力取り込んで 参照)
気のパワーとは、成長発育の原動力ですが、医学的な表現では免疫力でもあり、老化予防効果にも直結するパワーです。科学的に分析してみても、植物の生長点にはビタミン、ミネラルのほかファイトケミカルと呼ばれる物質が豊富に含まれており、そういった成分を摂ることにより人間が元気になるということは、漢方的には気を補うことと同じ事になります。