菊菜はキク科の野菜で、菊の葉っぱそのものの形をしており、あまり見かけることはないですがきれいな花を咲かせるそうです。
関西以外ではシュンギク(文字通り春の菊)と呼ばれることの方が多いようですが、薬膳的に見てもストレスの影響を受けやすい春にはぴったりの食材といえます。
ストレスは様々な疾患の原因になることが知られていますが、漢方的にはストレスはまず体内の気の巡りを滞らせるとされ、菊菜のような香味野菜は、滞った気の巡りを良くする作用があります。今風に言えばアロマテラピーのような作用です。
漢方で考える“気”とは、簡単に言えばからだの様々な機能のことですので、気の巡りの滞りは、胃腸機能の低下から免疫機能の低下まで様々な悪影響を与えかねません。反対に言えば、健康を維持するためには、いかに気の巡りを滞らせないようにするかということですが、自然の中を散歩するだけでも良いとされています(中国では朝の公園で気功や太極拳をする人が多いですが、呼吸と動作で全身の気の流れを整える目的で行われています)。
食べ物で言えば、香味野菜のほか、ハッカやミントなども気の巡りを良くしてくれます。また、ストレスが溜まってくると唐辛子などの辛いものを欲するようになることがありますが、辛いものは気の巡りを良くしてくれる作用はあるものの、胃腸に負担となりやすいので摂りすぎには要注意です。