鹿肉は低脂肪高タンパクで鉄分などのミネラルも豊富です。
薬膳的な効能も五臓を補い、血脈を潤すとされ、病後の体力回復や産後の母乳不足などに良いとされています。
日本ではあまり食用にされることはないですが、漢方の世界では鹿は様々な部位が漢方薬として用いられています。
最も有名なのは、袋角と呼ばれる幼角を乾燥させた鹿茸で、人間の生命力の根源物質である腎精を増やす働きがある滋養強壮剤として用いられる他、骨化した角である鹿角、血を乾燥させた鹿血、尾の部位を乾燥させた鹿尾、アキレス腱を乾燥させた鹿筋なども利用されています。
また、古くから鹿(鹿角や鹿の皮)から得られたニカワ(膠)は、上質の墨の製造に欠かせない他、染料や絵の具の定着剤としても使用されてきました。