“野猪仔”とはイノシシの子供(ウリボー)のことです。フランス料理風に言えば、ジビエとなりますが、寒い時には、野生でなおかつ成長力のある食材を食べることが、生命力そのものを高めることにつながります。
考えてみれば残酷な気もしますが、生あるものには“気”が流れているというのが東洋医学の基本で、食べることは栄養物質(“血”や“精”)だけでなく“気”もいただくという発想があります。“食べる”と言うことは動物であれ植物であれ、他の生命を「いただく」ことにほかならず、生命は言うまでもなく物質の集合体ではないので、“気”とは生命を生命たらしめているものといえます。また、“気”はもちろん元気の“気”であって、飼育された動物よりも野生の生物、成獣よりも成長過程にあるものの方が“気”のパワーをより多くいただけると考えられています(加工食品などには“気”が殆ど含まれていません)。