謹賀新年

Dragon  今年は壬(みずのえ:水の兄)の辰年です。壬の字は糸巻きに生糸が巻き取られている様を表し、農作業で収穫した作物を蔵一杯に取り込む時期を指します。また、辰は元々、貝の水管が動いている様を表しており、転じて弾性のあるものが震えながら動く~植物では若い芽が盛んに成長していく時期を表しています。

 龍に関しては黄河上流の一気に川幅が広くなる龍門と呼ばれるところを登り切った鯉が龍になるという伝説は有名ですが、中国に於いては古くより5本爪の龍は皇帝の象徴ともされています。

 

 漢方の世界で龍(竜)といえば、四神の一つで東の守り神とされる青龍に因んだ大青竜湯や小青竜湯という処方があるほか、精神を安定させる働きがあるとされる大昔の哺乳動物の骨の化石は龍骨と呼ばれています。

 そのほか、リンドウの根で苦味が強い竜胆(りゅうたん)や独特の香りで精神や意識をはっきりさせる作用のある竜脳(りゅうのう)などに竜の字が使われています。

 更に、タツノオトシゴも滋養強壮作用のある生薬として用いられますが、こちらは、龍ではなく「海馬」と呼ばれています(海馬の仲間で海龍と呼ばれる生薬もあります)。

 十二支の中で唯一の想像上の動物が竜ですが、そろそろ物質文明に限界が見え始めてきた今年にふさわしいかもしれません。

 

 

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