「今日は雨が降ってラッキーでしたね」と声をかけられ、一瞬とまどいましたが、雨上がりのアスファルトの上は火山灰でぬかるんでいました。
20数年ぶりに訪れた鹿児島市では、桜島が活発になっているようで、晴れた日には結構灰が舞うそうです。
しかしながら、地元の方によると、火山灰のおかげでヤマイモ(長いも)や大根、サツマイモがおいしいとのことでした。
考えてみれば、芋や大根には共通して胃腸の働きをよくする効果があり、漢方理論では胃腸の働きが良くなると肺も元気になるという理屈になりますので、火山灰が多少舞ったところで、地元の芋や大根を食べていれば平気なのかもしれません。
こういうことを書くと、あたかも最初から芋や大根にそういう効果があるから植えられたとか、そういったものしか栽培に適していないからと思われがちですが、その土地で栽培される様々な農作物の中から現地の人の体に良いものだけが淘汰されてきた結果だと考えた方が正しいと思います。これが本当の地産地消の意味で、決してフードマイレージが少なくて済むとか、地元の農業振興の為のキャッチフレーズでもありません。
更に言えば、どこそこの国の長寿地帯で食べられているからといって、環境も体質も違う日本人に合っているとは限りませんし、日本で作るよりも外国産のものを輸入した方が良いという理屈も、少なくとも食品に関しては当てはまらないと思います。