前回の健康トピックスでは、体の潤い(=陰分)は陰の時間帯である夜につくられる=夜の10時から午前2時の間にノンレム睡眠状態になることで成長ホルモンが多く分泌され、お肌や髪の毛の潤いが保たれる=という話を紹介しました。
今回の話も基本的には同じような話なのですが、やはり夜の10時から午前2時の間は脂肪が蓄積されやすくなるということが西洋医学的に確かめられているというお話です。
この脂肪蓄積作用に関してはbmal1とよばれるタンパク質が関係しており、このタンパク質は1日のなかで昼間は少なく(午後3時頃に最も少なくなる)、夜の10時から午前2時の間に最大になるそうで、簡単に言えば、夜遅く食事をしたり、夜食を食べると太ると言われていたことが、科学的に立証されたわけです。
食糧難の時代や、痩せすぎている場合は別ですが、脂肪が気になる方にとっては、1日の摂取カロリーが同じでも、bmal1が少ない昼にボリュームのある食事をして、夜は早めに且つあっさりとした食事を心がけるだけで、脂肪がつきにくくなるといえます(脂肪が気になるけれど揚げ物や洋食系統が大好きという方は、夜ではなく昼食にそういったものを食べると脂肪の蓄積がある程度は抑えられると言うことです)。
反対に、夜遅くにおなかをすかせて帰宅して、ボリュームのある食事をした場合、太りやすくなるだけでなく、胃の中に食べ物が入ったまま寝ると逆流性食道炎の原因となるばかりか、深い眠りが得られにくくなって成長ホルモンの分泌に支障を来し、免疫やホルモンバランスにまで影響が及びかねません。
昔から言われていることですが、夕食という言葉が示すように「晩」ではなく「夕」方に食事をして10時までに寝るようにするのが理想だと思います。