キュウリはヒマラヤ山系あたりが原産とされ、漢の時代に中国にもたらされ、日本にも平安時代には伝わったとされています。
言うまでもなく、瓜の一種ですが、もともと苦みが強く、黄色く熟するまで食べられなかったので“黄瓜”=きゅうりと呼ばれるようになったそうです(因みに中国語でもキュウリは、黄瓜(ファングァ))。
現代では、品種改良により苦み成分が少なくなって、黄色いキュウリを見かけることはなくなりましたが、苦味には熱を冷ます作用があるとされ、夏の暑い時期には苦味のあるキュウリの方が体にこもった余分な熱を冷ますというキュウリ本来の薬膳的な効能が得やすいと言えます。
また、キュウリの苦み成分は、ゴーヤーなどに多く含まれるククルビタシンという成分で、抗酸化作用が強く、日焼けや動脈硬化の予防効果なども期待できるほか、動物実験では抗ガン作用も認められるという報告もあります。また、この成分は蔓に近い部分に多く含まれますので、苦みが気になる方は蔓に近い部分を2cmほど切り取ると気にならなくなるとされていますが、暑がりの方やお酒をよく飲まれる方はむしろ積極的に、この苦い部分を摂る方が良いと思います。