イチゴ(草莓)の入った山査子(さんざし)の羊羹です。
イチゴは、南米原産でビタミンCを豊富に含むほか、キシリトールも含まれています(ただし、果糖も含まれているために、イチゴを食べれば歯を磨かなくても良いというわけではありません)。
イチゴの薬膳的な効能としては“肝”にこもった熱を冷ましてイライラを抑えるというもので、精神的にイライラしやすくなる春の時期(「青い春の木の芽時」参照)にはぴったりの食材です(春の時期のイライラ(肝鬱)は、そういった自覚が無くてもゲップやガスが出やすくなったり、まぶたや目の周囲の筋肉がピクピクするといった身体症状として現れることがあります)。
一方、羊羹のベースに使われている山査子は、イチゴと同じバラ科で、大きいものは姫リンゴほどの大きさがあり、中国ではリンゴ飴のような形で露店で売られていたりします。味はリンゴほど甘くはなく酸味が強いのが特徴です。
また、山査子を乾燥させたものは生薬としても用いられ、消導薬~簡単に言えば消化薬のようなもの~に分類され、特にあぶらっこい食事の後の胃もたれや下痢に有効とされています。