臘肉(ラーロゥ)とは、タレに漬け込んだ豚バラ肉を臘月とも称される陰暦12月の寒風の中、干して熟成させたものです(写真のものはスモークされています)。
日本でも最近、肉を長期間、冷蔵庫で寝かせるエイジング(熟成)という言葉が知られるようになってきましたが、臘肉の作り方はタレに漬け込む点は異なりますが、ドライエイジングそのものです。エイジングにより、肉のタンパク質が分解しアミノ酸が増加、旨味が強くなりますが、更に、本来は胃腸の消化力によってタンパク質はアミノ酸まで分解され、腸から吸収されることになっていますので、エイジングされた肉はそれだけ胃腸にやさしいことになります。
ただ、こういった方法は空気の乾燥した地域では可能ですが、日本のような環境では冷蔵庫がなければ難しいと言えます。ただし、日本では高温で多湿な環境を生かした発酵という技術が昔から進んでおり、納豆や味噌などの発酵食品は言葉をかえればアジア伝統のエイジング食品と言えるかも知れません。特に、近年の研究では、発酵食品に含まれる成分には腸内細菌バランスを改善することによって、免疫力を高めたり、肝臓や腎臓の機能を良くする作用などが確認されており、もともと胃腸の弱い日本人にとって、もっと見直されてしかるべきだと思います。