腐皮(フーピー)とは湯葉のことで、菜の花を湯葉で捲いた前菜です。
中国の古い風習では、立春には、五辛盤と言って5種類、もしくは7種類の辛味のある生野菜(大根や韮など)を食べる習わしがありました。「辛」は新春の「新」に通じるとのことですが、写真の菜の花も生ではないですが、心地良い辛味がありました。
ところで、大根や菜の花などアブラナ科の植物の辛味成分は、イソチオシアネートと呼ばれ、血液をサラサラにするほか、ガンの発生を抑制する効果もあることがわかっています。野菜というと、繊維やビタミン、ミネラルといった成分が思い浮かびますが、イソチオシアネートなど身体に有益な働きをするファイトケミカルと称される成分については未発見の物質も数多く存在するとされ、近年注目されています。また、これらの成分はビタミン剤や加工食品としての野菜ジュースで補おうとしても補いきれないと考えられます。
蛇足ながら、人間の唾液中にペルオキシダーゼという酵素が含まれることが発見されており、この酵素は強力な抗酸化力を持ち、食品中の発ガン物質などを解毒する働きがあることがわかっています。ただし、30秒ほど作用させないと効果が得にくいことも知られており、一口30回噛むことは、唾液の分泌を促すとともに唾液中のペルオキシダーゼを十分に作用させるのにも必要となります。