まくわうりと車海老の炒めもの

201007  “まくわうり”はもともと真桑村というところで栽培されていたことから名付けられたそうですが、日本でも相当古くから食べられていたようです。

 写真は、よく熟れて甘みのあるまくわうりと車海老の炒めものです。両端に見えるのは金華ハムをハチミツで煎り焼いたもので、料理全体の甘さに対して塩味のアクセントとして添えられています。

 日本の感覚からすると、まくわうりを炒めものに使うのには違和感がありますが、中国では、瓜の性質としてからだの余分な熱を冷ます作用がある以上、それを更に冷やして食べるのはおなかが冷えて健康上良くないと言う感覚が強く残っています。因みに中国では「瓜の類」=「からだを冷やすもの」=「食べすぎてはいけない」というのが一般的なイメージとして定着しています。

 今年の夏のような酷暑が続く時期は、冷たーいものが欲しくなりますが、熱中症を漢方的に分析すると“気陰両虚”と言って、陰=「水分」の不足もさることながら“気”のエネルギーの低下も大きく関係しており、その“気”の主な発生源が胃腸であり、胃腸を物理的に冷やすことは気虚といって“気”のエネルギー低下に直結します。

 整理して言いますと、暑さ(熱中症)対策としては、水分の補給と、余分な熱を冷ます性質のあるものを積極的に摂る、ただし胃腸を冷やしすぎないように注意するということになります。冷蔵庫が当たり前の現代では、「余分な熱を冷ます作用のあるもの(瓜類やトマト、ナスなどの夏野菜)を摂る」ことなしに「物理的に冷たいものでからだを冷やす」ことが優先されがちですが、人間は体温が3度程度上下するだけで健康上大問題となるような生き物ですし、特にからだの真ん中~中心=おなかをガンガンに冷やすのは考え物です。

 さて、まくわうりのヘタは瓜蒂(かてい)とよばれ、古くは約2000年前に記された神農本草経にも収載され、苦みが強く主に催吐剤として用いられる生薬です。

 

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