豆腐をくずしたものとエンドウ豆、金華ハムの入った羮(あつもの)です。
“豆腐脳”という名前の700年くらい前からある料理だそうですが、現在の中国で“豆腐脳”と言えば、おぼろ豆腐のようなものに薬味やタレをかけたものを指します。またデザートで豆乳プリンのような豆腐に甘いタレをかけたものも“豆腐脳”とか“豆腐花”と呼ばれています。
2000年以上前に中国で“発明”されたとされる豆腐ですが、豆腐=四角いものというイメージの強い日本に比べて、極限まで細切りにしたもの(文思豆腐)や写真の豆腐脳のようにこまかく崩したものなどを見ると、中華料理の奥深さを感じさせます。因みに日本の豆腐で作ると角が崩れてしまいがちな麻婆豆腐ですが、本場四川では豆腐の角を崩さずに作るのが本式だそうです。
豆腐の薬膳的な効能としては、余分な熱を冷ましからだに潤いを与えるというものですが、豆腐に加工されることで原料の大豆に含まれるタンパク質の吸収がよくなるとされ、やせ気味で乾燥肌といった方にはお勧めの食材です。