過度の飲酒は乳ガンのリスク要因

 日経新聞の報道によりますと、このほど厚生労働省の研究班がまとめた大規模疫学調査の結果、1週間にビールに換算して大瓶7本以上飲む女性はお酒を全く飲まない女性に比べて乳ガンになるリスクが1.75倍に高まるそうです。

 もともと漢方理論では乳ガンは五臓六腑の「肝」と関連性が強く、「肝」に悪影響を与える因子としては精神的ストレスや過度の飲酒などが考えられていますが、今回の調査結果はそういった漢方理論とも合致します。また、西洋医学的にも乳ガンは肝臓に転移しやすいとされていますので、今回の調査結果ともなんらかの関連性があるのかもしれません。

 因みに、精神的なストレスとしては「怒」というタイプのストレスが「肝」に最も影響を与えるとされていますが、「怒」とはもともと「奴」の「心」を表し、自分ではどうしようもないことに対してイライラするというタイプのストレスを指します。また、こういったストレスが「肝」に影響すると、女性では生理前に胸が張る、生理痛などの症状が出るほか、男女を問わずゲップやガス、便通の悪化などの症状が出やすくなります。

 漢方のカウンセリング療法では、このタイプのストレスをほぐすには感情的に涙を流すのが最も有効であるとされていますが、「怒」というタイプのストレスにさいなまれている方は自己防衛反応で、涙もろくなる傾向が見られるようです。また、食べものでは「発散」させる働きのある辛い味のものを好むようになりますが、胃腸が弱い方にとっては唐辛子やニンニクの摂りすぎはからだに良くありませんので、薬膳的には辛いという味で胃腸にもやさしいハッカ類(ミントなど)をお勧めします。更には、気の巡りが滞らないように適度な運動や気功、太極拳などもお勧めです。

 

 

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