鴨が葱を背負ってやってくる~カモネギという慣用句があるほど、鴨とネギは相性が良いとされています。
また、中国では、鴨(=家鴨=アヒル)がおいしくなるのは、重陽節(旧暦の九月九日)以後といわれていますが、鴨(アヒル)の薬膳的な効能の一つとして滋陰作用~からだに潤いを与える作用があるとされています。
秋から冬にかけてお肌や鼻やのど、口なども乾きやすくなりますが、漢方では、乾燥したからといって水分を補給すれば良いという考え方はしません。スポーツなどで一時的に失われた水分は補給すべきですが、歳とともに進む“潤い不足”に対してはいくら水分補給しても解決しません。それは“潤い不足”の根本原因が水分の不足ではなく、正確に言うと“水分保持能力の不足”だからです。
人間は老化と共に内臓を始め様々なところが萎縮していきますが、この時、諸機能の低下と共に水分保持能力も失われていきます。この状態を漢方では陰虚とよび、滋陰作用のある処方で徐々に水分保持能力を回復して、結果的にお肌などの潤いを回復していくことを目指します。
前置きが長くなりましたが、鴨の薬膳的な効能である滋陰作用もそういった作用であって、言葉をかえればアンチエイジング作用があるとも言えます。