香魚とは鮎のことで、えさとなる川藻の影響と言われていますが、体表部が西瓜や瓜にも似たすがすがしい香りがすることからそう呼ばれます。また、「アユ」は中国語でも「香魚(シァンユィ)」で、「鮎」と書けば中国では「ナマズ」を指します(日本でも奈良時代には鮎はナマズを指していたそうです)。
“占”と言う字を「占い」と考えればナマズと地震の関係などから、「鮎」はナマズの方が合っていそうですが、どうやら“占”は「占い」ではなく「占拠」の「占」で、ナマズもアユもなわばり意識が強い魚であることから「鮎」という字が当てられていたという説もあります。
さて、アユには骨を丈夫にするのに欠かせないビタミンDとカルシウムが極めて豊富で、骨や歯の健康が気になる方には特にお勧めの食材です。また、最近出まわっている養殖物は天然物のような“香り”には欠けるものの、これらの栄養素はむしろ天然物以上に含まれているという分析データもあります。