蚕豆とは中国語で“そら豆”のことです。莢の形が蚕に似ているからでしょうか。
そら豆は中央アジア原産とされていますが、日本にも平安時代までには伝わったとされ、現在では和洋中を問わず世界中で食べられています。
そら豆(蚕豆)の薬膳的効能は、豆類の多くがそうであるように健脾利湿で、胃腸機能を高める働きがあるほか、高血圧に良いとも言われています。
また、写真の白く見えるものは中国語で百頁(バイイェ)と呼ばれる布豆腐です。直訳すると“100ページ”という意味になりますが、正に豆腐でできた紙のようなものです。
豆腐の薬膳的効能も胃腸機能を高め、身体に潤いを与えるとされています。言うまでもなく豆腐の原料は大豆で、大豆は中国原産とされる上に「大」豆と書かれるくらいですから、豆類の王様として豆乳、豆腐、湯葉から豆鼓など様々に加工され利用されてきました。もちろん、大豆の薬膳的効能も胃腸機能を良くすることです。
ところで、日本でも豆腐は人気のある食材ですが、加工技術の“進歩”により昔に比べて、原料の大豆の使用量がかなり減っており、食感は良くなったものの薬膳的な効能はあまり期待できないのではないかと思います。